気に入っているテレビ番組のひとつに、ディスカバリーチャンネルの「How It’s Made」というのがあります。毎日使うものが実際どんなふうに作られているのかを知るのは楽しいものです。この番組のように、僕ら Automattic のチームがどんなふうに働いているか、どんな考え方をしているかについてもっと皆さんと共有してみたいと思い、いくつかのポイントをまとめてみました。

いろんなところから働いています

私たちが「分散型」の会社だと知って驚く人は少なくありません。大半の社員は、世界中の同僚と異なる町や国に住んでいます。サンフランシスコに本部を置いていますが、��とんどの社員は別の町にいます。つまり、24時間いつも誰かが働いていて、たくさんの文化や地域、そして食べ物に影響されているということです (食べ物大好き社員も少なくありません) 。

Automattic の働き方

私たちの会社の CEO であるトニーは、分散型の働き方の利点 [en] について以前書いたことがありました。 我々はパブリッシングおよびサービスを提供する会社であり、ブログがグループ内のパワフルなコミュニケーションツールになり得ることを心から信じています。内部コミュニケーションの多くに P2 という WordPress テーマを適用したブログを使っており、仕様やバグレポート、ブレインストーミング、世間話、その他いろいろなことを話しています。マットが書いた、P2 テーマがどのように会社の働き方を変えたかというブログ記事 [en] とこのテーマの動画もぜひご覧ください。

Automattic のメンバーはみんな、5〜10人程度のチームに属しています。各チームはそれぞれ違った分野に集中して取り組んでいます。例えば、私自身は「チーム・ソーシャル」のリーダーで、コメントやソーシャルネットワーク上でのブログ記事の共有などの機能の改善をやったりしています。他にも、システム、テーマ、VIP サービスなど色々なチームがあります。

毎日、みんなはかなりの自主性を持って働いています。分散型であり、タイムゾーンや距離的にも離れているため、意識的にそうしているのです。メッセージの重要度によって正しい方法を使い分けながら、P2 ブログ、IRC チャット、Skype を使ってコミュニケーションをとっています。これもよく驚かれるのが、メールが極端に少ないことです。私は Automattic に入って今のところ7ヶ月ですが、受け取ったメールの量は200件くらいといったところで、ほとんどが社外の人からのものです。

新機能や既存機能の改善

多くの機能の改善点は、WordPress.com のベースとなっているオープンソースソフトウェア、WordPress.org のコミュニティによるものです。

Automattic では、WordPress.com の変更点の実装、テスト、リリースを毎日何十回も繰り返しています。利用者の皆さんに「なぜだかは分からないけど、なんとなく少しずつ良くなってきている気がする」と感じてもらえるよう、愛着を持って改善を行っています。

各チームそれぞれに働き方がありますが、各開発者はチームリーダーとデザイナーと相談しながら変更点とリリースを決定します。VaultPress のような大きなプロジェクトの場合は数週間、数カ月間といった期間、専用のチームが置かれます。バグ修正やちょっとした機能の場合は、数日や数時間で完了します。

アイディアはいろんなところからやってきます。WordPress.com が誇るハピネスチームは、常に問題点を調査し、物事をより良くするための手段を探し続けています。開発者が次に何をやるかを決めるにあたって、彼らからのフィードバックは最も重要だといえます。さらに私たちは、どの機能がよく使われているか、利用者の方が問題を抱えているのはどういう部分か、といったデータも大量に集めています。その結果、社内ブログ上でたくさんのアイディアが提案され、スケッチやプロトタイプが作られます。生産性が高いメンバーが揃っていますが、それでも実際にリリースできるのはその一部です。ただし公開した際にはすぐにフィードバックが届きますので、足りないちょっとした点や、最善を尽くしてもうまくいかなかった部分はすぐに反応して修正を加えることがほとんどです。

これからのこと

私たちの働き方について、私たちが Web の未来についてどう考えているかについて、これからももっとみなさんに知ってもらえればと思います。共有したい意見やアイディアがいっぱいです。

今後、皆さんが知りたいことはなんでしょう?約束はできませんが、できれば答えていきたいと思います!

この記事は Scott Berkun が WordPress.com 英語版ブログに投稿した「How is WordPress.com made?」の訳です。機能について不明な点があればコメント欄または日本語フォーラムでご質問ください。

翻訳: マクラケン直子